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明日仕事なのに眠れない。入浴もストレッチも、もう間に合わない時間の人へ

検索して出てくる方法は、たいてい、まだ時間がある人のものです。

2026年8月31日

明日、仕事です。寝なきゃいけないのは分かっています。それなのに目が冴えていて、時計を見るたびに残り時間が減っていく。

この状態で検索すると、対処法が出てきます。ぬるめのお湯にゆっくり浸かる。ストレッチをする。アロマを焚く。趣味や運動で気分転換をする。

どれも、それ自体は正しいのだと思います。ただ、全部「まだ時間がある人」に向けて書かれています。

いま午前2時で、起きるのが6時半なら、ゆっくり入浴している時間はありません。趣味や運動の話をされても困ります。必要なのは、残り4時間半をどうするかです。

なので、そこだけ書きます。

まず、いちばん効くこと

「寝なきゃ」をやめることです。

眠れない夜がしんどいのは、眠れないこと自体より、眠らなければいけないのに眠れていないという焦りのほうが大きいことがあります。

時計を見て、あと4時間しかない、と思う。3時間半になる。そのたびに焦りが増して、体はさらに目を覚ましていく。

これは気のせいではありません。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に、はっきり書かれています。

眠気が訪れていないにもかかわらず無理に眠ろうとすると、脳の興奮がむしろ高まり、寝つきを悪化させることがあります

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

眠ろうとする努力が、そのまま眠りを遠ざける方向に働く。公的なガイドがそう言っています。つまり、いま寝つけないのはあなたの努力が足りないからではなく、努力しているからという可能性があるということです。

だから、いったん降りたほうが早いことがあります。

今夜はもう眠れなくてもいい。横になって休むだけでいい。

これは諦めではなく、焦りを外すための切り替えです。「眠らなきゃ」を手放したあとに、結果的に眠っていた、ということがよく起こります。眠ることを目標から外すと、目標が達成できない状態も消えるので、焦りようがなくなる。

そして時計を見るのをやめてください。残り時間を数えるのは、焦りを増やす以外の働きをしません。アラームはもうかけてあるはずです。

残り時間ごとに、やること

起床まで まだ5時間以上ある

いったん布団から出ていい

これも睡眠ガイド2023に、そのまま書かれている方法です。

「なかなか眠れないときはいったん寝床を離れ、寝床以外の静かで暗めの安心感が得られる場所で、眠気が訪れるまで安静状態で過ごします。そして、しばらくして眠気が訪れてから寝床に戻りましょう」

粘るほど「布団=眠れない場所」という結びつきが強くなります。場所を変えて、眠気が来てから戻る。そのときスマホを見るなら、明るさは最低まで落としてください。

起床まで 3〜4時間

眠るのをやめて、休むに切り替える

この時間帯からは、寝つこうと頑張るより、横になって目を閉じて、体を休ませることに目的を変えるほうが楽です。

呼吸を数えるくらいの、頭を使わないことをしておく。眠れたら儲けもの、くらいの位置に置いておきます。

起床まで 2時間以下

今夜は諦めて、明日の設計に切り替える

ここまで来たら、寝られるかどうかを考えるのはやめて、明日をどう最低限で乗り切るかに頭を使ったほうが実用的です。下に書きます。

そして、この時間に重要なことを考えないでください。夜中に出した結論は、たいてい昼より暗いほうに寄ります。

お酒で寝ようとするのは、やめたほうがいいです

この時間の選択肢として、実際によく出てくるので書いておきます。

寝酒は、睡眠ガイド2023がはっきり推奨していません。寝つきは良くなったように感じても、そのあとの眠りの質が落ちます。ガイドには、アルコールを分解してできる物質が睡眠を妨げる方向に働くこと、続けると「飲まないとよく眠れない状態」に至る可能性があることが書かれています。

今夜1回で依存になるという話ではありません。ただ、明日の朝いちばんきついのは、飲んで寝た場合です。短い睡眠をさらに浅くすることになるので、明日を乗り切るという目的からいちばん遠い。

そして睡眠薬を飲んでいる人は、絶対にお酒と一緒にしないでください。量やタイミングを自分で変えるのも同じです。

考えごとが止まらないとき

眠れない原因が、明日への不安そのものであることがあります。あの件を聞かれたらどうしよう。あの人に何か言われるかもしれない。ミスが見つかるかもしれない。

睡眠ガイド2023にも、「寝床で考えごとをするのは避けましょう」と書かれています。無理に眠ろうとすると、「日中の悩み事を寝床に持ち込み、余計に寝つけなくなる」とも。

とはいえ、この状態で「考えないようにしよう」とするのは、たぶんうまくいきません。考えないでおこうとするほど、そのことを考えることになるからです。

代わりに、頭の中にあるものを、いったん外に出して、明日の自分に渡してしまうのがいいと思っています。

紙でもスマホのメモでもいいので、気になっていることを、そのまま書き出します。整理しなくていいし、解決策を考えなくていい。並べるだけです。

そのうえで、最後に一行だけ足します。

「これは明日の自分が考える」

頭の中で回り続けているのは、忘れてはいけないと思っているからでもあります。書いて外に置くと、覚えておく仕事から降りられます。いま考えるのをやめる許可を、自分に出すための手続きだと思ってください。

どうせ夜のうちには解決しません。夜中に考えた対策は、朝に見ると別のことを言っています。

明日を、最低限で乗り切る

眠れなかった翌日は、いつもどおりにはできません。それを前提にして、先に決めておくと楽になります。

そして、今夜のこれは、あなただけに起きていることではありません。睡眠ガイド2023には、こう書かれています。

翌日に大事なイベントがあるからといって、長く眠ろうとしてもなかなか眠れないという経験は多くの人がされているでしょう

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

国のガイドが、わざわざこう書いている。それくらい、ありふれた夜です。今日をやり過ごせば、たいていその夜は眠れます。

これが続いているなら

ここまでは、今夜をしのぐ話でした。

ただ、日曜の夜だけでなく毎晩そうなっている、寝つけない日が何週間も続いている、朝がとにかく起きられない、日中もずっとしんどい。そういう状態なら、今夜の工夫でどうにかする話ではなくなっています。

眠れないことは、体の状態としても、こころの状態としても、治療の対象になります。我慢して乗り切るものではありません。睡眠の相談は、精神科や心療内科でふつうにできますし、内科で相談するところから始めても構いません。

不安がしんどくて誰かに聞いてほしいときの窓口は、別の記事に、深夜に開いているところをまとめました。

この記事について。 ここに書いたのは医学的な診断や治療の情報ではありません。今夜をしのぐための一般的な工夫です。

眠れない日が2週間以上続いている、日中の生活に支障が出ている、気分の落ち込みを伴う、といった場合は 医療機関で相談してください。すでに睡眠薬などを処方されている場合、飲む量やタイミングを自己判断で変えないでください。

この記事を書いている人

この記事を書いているのは、ひだまりという匿名SNSを運営している個人です。ひとりで気持ちを置ける場所として作りました。

気持ちをそのまま書ける場所と、アドバイスも説教もせずに聴くAIの聴き手がいます。眠れない夜に、書き出す先がほしくなったら使ってください。

参考にしたもの